聴覚障害には先天的なケースと後天的のモノがあります。
聴覚障害の場合、基本的に耳が聴こえない以外は健常者と全く同じ!
ではあるのですが、実はもう一つ障害というよりも、弊害が生まれることは余り知られていません。
それは何かというと言葉(発音)です。
例えば、日本人が日本語の発音を勉強することは余りありませんが、英語を発音する際には発音のリスニングを勉強したりしますよね?
日本にいる場合、当たり前のように日本語のリスニングが出来ているだけで、自然とリスニング効果が生じているものなのです。
音楽を聴いたり、カラオケで歌うことも同じで、耳が聞こえることで発音を真似ることが出来ます。
何が云いたいか?というと先天的に耳が聞こえないと発音の仕方が解らない。
また、後天的なケースでも、記憶に頼った発音なので少しずつ、少しずつ、発音のズレが生じてくる。
ということが発生してしまうのです。
少しずつズレが生じる後者については、実は複雑で実際には喋れても、少しずつイントネーションのズレなどが生じて、それが少しずつ、少しずつ、ズレが大きくなっていきます。
イントネーションというと言葉なまり(方言)を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、方言の場合には最初は笑われても徐々に標準語に慣れていくものですが、後天的な聴覚障害の場合には聴力が改善しない限り、悪くなることはあっても良くなることは殆どありません。
実はこれは大きな問題で、相手に悪気がなくても聞き取れないので、聞き返される。
悪いケースでは聞き返されるのではなく、笑われてしまうケースもあります。
その為、ろう者の自信を奪ってしまうので、余程強いメンタルでないと自信を失くし、言葉(発声)を諦めてしまうケースが殆どなのです。
ろう者は聞こえないだけで喋れるだろ?と勘違いする方もいるのですが、実は上記のような背景がある為、無理に声を出させようとする行為が、大きなストレスに感じさせているかも知れない…
そんなことを頭の片隅にでも把握しておくだけでも、ろう者への対応が大きく変わるので知っておいて頂けると幸いです。